
私が、彼女と出会ったのは、暮れも押し詰まった12月のある晴れた寒い日でした。
その頃の私は、ある日突然姿を消した元カノであるトンテキ定食との別れによる失恋の痛みからやっと立ち直り、新しい出会いを求め第一歩を歩き出したばかりでした。
ところが、習慣というのは中々、変えられなくて、気付いたら、何時の間にか元カノとの思い出の場所である松屋に来ていました。
そこで、目についたのが、「プルコギ定食新発売」というポスターです。
そこに映っていた彼女の姿を一目見た途端、運命的な出会いを感じました。
はっきりって一目ぼれです。
迷わず、食券販売機の所に行き、プルコギ定食特盛のボタンを押しました。
彼女は、全てにおいて完璧かつ最高でした。
また、彼女の引き立て役であるキムチも美味しくて、サラダとキムチだけで特盛御飯を完食してしまいました。
その間彼女は、ちょっと寂しそうに佇んでいましたが、そんなことにはお構いなく、私は、メインディッシュである彼女を横目に眺めながら、引き立て役である、キムチ、サラダ、味噌汁と順番に片付けて行きました。
そして、いよいよ、彼女の番です。
彼女を一口味わった途端、余りの美味しさに言葉を失いました。
実は、私、プルコギは今回初体験だったのですが、まさか、世の中に、こんなに美味しい物があったとは知りませんでした。
彼女との出会いに感謝です。
彼女の虜になった私は、彼女に会う為、毎週土曜日、1ヶ月ちょっとの間、松屋に通い詰めました。
ところが、幸せな時間は長くは続かず、1月末に突然、別れが訪れました。
何時かこうなることは覚悟しており、悔いが残らないように、彼女と会う時は何時も奮発してプルコギ定食W(990円)にしていました。
こうして、今回の恋も悲恋という形で幕をおろしました。
期間限定ということで恋心がより一層燃えた気がします。
何時か又、彼女や元カノと出会えることを切に願っています。
因みに、今回は、悲恋ということで、彼女に対する思いをヘミングウェイ風のタイトルにして表現してみました。
以上
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