今回、ブックオフで購入したのは、①佐々木裕一『公家武者 松平信平15 魔眼の光』(2017年)二見書房、②中村彰彦『名将がいて愚者がいた』(2011年)講談社、③江崎誠致『ルソンの谷間 最悪の戦場-一兵士の報告』(1993年)光人社、④島尾敏雄『魚雷艇学生』(平成23年)新潮社、⑤高尾慶子『イギリス人はおかしい 日本人ハウスキーパーが見た階級社会の素顔』(2003年)文藝春秋、⑥西村賢太『暗渠の宿』(平成23年)新潮社、⑦池波正太郎『英雄にっぽん』(昭和54年)集英社、⑧新田次郎『アラスカ物語』(平成24年)新潮社、⑨鄭箕海(鄭益友訳)『帰国船 北朝鮮 凍土への旅立ち』(1997年)文藝春秋、⑩団鬼六『檸檬婦人』(平成13年)新潮社の合計10冊です。
①は、毎回、最新作を心待ちにしている一冊で、入手と同時に今回も一気に読了してしまいました。
相変わらず、面白かったです。
②以降については、立ち読みしただけで未読了の為、立ち読み時に感じたことを記載しておきます。
②は、歴史ノンフィクションで、室町時代~幕末にかけての武将、大名、新撰組隊士等、色々な人物の話です。
通常、この類いの本では、誰でも知っているような有名人がクローズアップされがちです。
しかし、この本では、有名人だけではなく、石谷貞清、鳥居忠春、山田右衛門作、林昌之介等、かなりの歴史通でなければ知らない様な人物が多く取り上げられていて面白そうに感じました。
③、④は戦争文学です。
戦争文学としては、大岡昇平の『野火』が有名ですが、私自身、中学生の頃、夏休みの課題図書で『野火』を読んだことがあります。
また、同時期に遠藤周作の『海と毒薬』も読みましたが、当時中学生だった私にとっては、何れも、非常に衝撃的な内容でした。
戦争は人を狂気に駆り立てます。
③、④は、戦時下における著者の実体験を元にして書かれた作品です。
昨今は、戦争のワイドショー化が進んでおり、戦争の恐ろしさを実感する機会が少ない為、戦争に対する恐ろしさが麻痺している人が多い気がします。
この様な時代だからこそ、改めて戦争の恐ろしさを感じる為にも、この様な作品を読む意義が有ると思います。
⑤は、著者のイギリス生活体験記です。
私は、外国に行ったことは無いし、別に外国に行きたいと思ったことも皆無です。
しかし、外国の文化に対する興味はあります。
その為、単なる好奇心で、この本を購入しました。
⑥は、『苦役列車』の著者が書いた作品です。
『苦役列車』が面白かった為、この本を購入しました。
⑦は、山中鹿之介が主人公の小説です。
以前から、山中鹿之介に興味があり、山中鹿之介が主人公の小説を読みたいと思っていたのですが、中々、その様な作品に巡り会うことが出来ませんでした。
しかし、これでやっと念願が果たせそうです。
⑧は、アラスカで滅亡に瀕したエスキモーの一族を救い、ジャパニーズ・モーゼと仰がれ、二十世紀の奇跡と称される偉業を成し遂げた、フランク安田という実在した日本人の波乱に満ちた生涯を描いた作品です。
こういう作品を読むと、改めて、昔の日本人の偉大さを痛感させられます。
⑨は、謎に満ちた北朝鮮に対する好奇心を満たす為、この本を購入しました。
⑩は、官能小説の大家である団鬼六の作品です。
当初、この作品を書棚で見付けた時、一瞬、自分の目を疑いました。
それは、私の中では、新潮文庫=官能小説とは無縁の存在だと思っていたからです。
その為、官能小説の大家が新潮文庫で、どの様な作品を書いた興味を惹かれ、思わず手に取ってしまいました。
立ち読み時、真っ先に念頭に浮かんだのは、表現の自由に関する「芸術か猥褻か」という憲法上の問題でした。
因みに、この問題に関しては、D・H・ローレンス『チャタレイ夫人の恋人』、マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』、金阜山人戯作『四畳半襖の下張』に対する判例が有名です。
その為、⑩を読む時、これらの判例と照らし合わせながら読むと面白いのではないかと思い購入しました。
以上
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