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卒論要約3(注釈11~19)

2008/09/17 15:17:09 | 慶應通信法学部甲類体験記(塾生) | コメント:0件

これは、卒論要約1(本文)の注釈11~19です。

【※11】 
 権利性が曖昧な制度とは、意見陳述制度や被害者参加制度の運用は、裁判長や裁判所の裁量に任せられており、色々な制限があり、犯罪被害者等に明確に認められた権利ではないということである。
     
【補足】
 他方、米国のVIS(被害者衝撃供述:日本の意見陳述制度みたいなもの)やVSO(被害者意見供述:日本の被害者参加制度みたいなもの)の運用に関しては、州ごとに違いがあるが、基本的には、連邦レベルでは、被害者の権利明確化法、州レベルでは、各州の被害者権利章典によって、VISやVSOの運用は、犯罪被害者等に明確に認められた権利とされている。

【※12】
 従来の刑事訴訟制度観では、国家訴追主義(国家が訴追権を独占する)制度下では、巨大な国家権力対か弱い被告人という構図になり易い為、巨大な国家権力から、どのようにしたら被告人の権利を守ることが出来るか、ということのみが重視されて来た。

その結果、永年に渡り、刑事手続きの場から犯罪被害者等は、疎外され、苦しんで来た。
    
【※13】 
 量刑手続き参加制度の意義については、次のように解釈すべきである。

第1に、犯罪被害者等に意見陳述の機会を与えることで、裁判が犯罪被害者等の意見を踏まえて為されることを明確にし、刑事司法に対する信頼を確保すること。

第2に、被害者感情の緩和を図ること。

第3に、被告人の反省を深め、その改善更生に資すること。

第4に、犯罪被害者等の刑事手続きからの疎外を防止し、犯罪被害者等を人間として尊重することである。

 また、これらの意義を踏まえた上で、量刑判断時に量刑と犯罪被害者等の意思の合致ではなく、犯罪被害者等の意見を量刑資料として合理的に評価することを目的とする「資料の充実による量刑の合理化」を目指すということである。

 要するに、量刑に被害者感情を無制限に反映すると言う意味ではなく、一定の範囲内で、従来よりも、積極かつ適切に、量刑に被害者感情を反映するということである。

【※14】
 刑事司法の目的としては、通説や判例は、公益や被告人の基本的人権の保障の為であり、犯罪被害者等の基本的人権は含まれないという考えであるが、私は、犯罪被害者等も含まれると解釈している。
    
【補足】
 『犯罪の捜査及び検察官の公訴権の行使は、国家及び社会の秩序維持という公益を図る為になされるものであって、犯罪の被害者の被侵害利益ないし損害の回復を目的とするものではなく、この理は、たとえ、犯罪捜査の端緒が一般国民の告訴によるものである場合でも同様である。・・・なお、告訴をした国民が捜査機関の捜査又は検察官の公訴提起によって精神的安堵感ないし期待感の満足を得られることがあるとしても、それらは捜査機関の職権発動によって反射的にもたらされる事実上の利益であるにすぎず、法律上保護された利益ではないというべきである。』損害賠償請求事件(平成15ワ1541)に対する神戸地裁判決(平成16年4月22日)←通説や判例の考え方

 しかし、犯罪被害者等基本法(平成17年4月1日)施行後の最高裁判例を見ると、犯罪被害者等の権利解釈を巡っては、興味深い動きがある。

損害賠償請求事件{平成16(受)2030}に対する最高裁第一小法定判決(平成17年4月21日)の、多数意見は、依然として、犯罪被害者等の権利を認めないという考え方であるが、唯一、泉徳治裁判官だけは、次の様な反対意見を述べている。

『・・・犯罪の被害者は、個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される人格的権利を有するものであって、刑事手続きにおける告訴権も、人格的権利の一部をなすものということができる。被害者がその所有に係る証拠物を捜査機関に提出するのは・・・告訴権の行使の一内容、あるいは告訴権に類似する人格的権利の行使ということができ、当該証拠物が捜査機関において捜査のために有効に活用され、捜査上必要である限りに適正に保管されることの利益は、単に所有権の一部を構成するにとどまらず、上記の人格的権利に由来し、法的に保護された利益というべきである。・・・』

【※15】
 従来の刑罰理論(応報刑論、目的刑論、相対的応報刑論)は、基本的には、加害者や公益に注目したものである為、量刑手続きに犯罪被害者等が積極的に関与することに原理的な理由を提供することが出来ず、これらの刑罰理論は、犯罪被害者等を疎外する考え方なので、支持出来ない。

 また、最近は、修復的司法という刑罰理論もあるが、この考え方に基づけば、量刑手続きに犯罪被害者等が積極的に関与することに原理的な理由を提供することは、出来るが、この考え方にも色々な限界があり、何よりも加害者の社会復帰を最終目的にしている点で、死刑制度とは矛盾を生じる為、支持出来ない。
  
 故に、今後の刑罰理論としては、ローチ教授の懲罰的被害者権利モデルが望ましい。

このモデルに基づけば、犯罪被害者等の権利保護を重視し、刑事制裁に重点を置いている為、死刑制度との矛盾も生じない。

【※16】 
 裁判員が恣意的な量刑をする可能性は非常に高い。

例えば、米国では、ジュリーナリフィケーション(陪審による法の無視)の問題がしばしば起きており、陪審員が、被告人に必要以上に同情し、本当は有罪なのに、無罪にすることがある。

また、O・Jシンプソン裁判では、陪審員が、弁護側の訴訟戦略(殺人事件ではなく、人種差別事件にすりかえるという手法)にまんまと載せられて、殺人事件の裁判をするという意識よりも、人種差別に対する嫌悪感が勝った結果、無罪判決を下したということもあった。

【※17】
 裁判官は、従来から、証人尋問等で、不十分ながらも被害者感情に接する機会があり、死刑判決時にも、不十分ながらも被害者感情を考慮してきた為、被害者感情に対する免疫がある。

従って、意見陳述制度によって、裁判官が恣意的な量刑をする可能性は低い。

【※18】
 非刑罰的施策とは、心の支援や経済的支援のこと。

【※19】
 非刑罰的施策と刑事司法との連携とは、心の支援と言う観点から言えば、意見陳述制度、被害者参加制度、死刑執行時の遺族の立会いを認める等、経済的支援という観点から言えば、犯罪被害者給付金制度、損害賠償命令制度等のことである。

以上

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